帰納を用いる科学的研究法。特に因果関係を確定するのに用いる。プラトンが描くところのソクラテスが用いてアリストテレスが方法的に整えたエパゴーゲー(還元法)に始まり、スコラ哲学、F.ベーコンを介しJ.S.ミルが大成した。狭義ではミルの定式化した因果関係確定の五つの方法(一致法・差異法・一致差異併用法・剰余法・共変法)を指す。
帰納的推論
演繹的に妥当ではないが、前提が結論に対して一定の支持を与える推論。広義には、演繹的に妥当ではないが正当であるとみなされる推論のすべてをいう。狭義には、個々の具体的事実から一般的な命題ないし法則を導き出す推論をいう。
帰納
個々の具体的事実から一般的な命題ないし法則を導き出すこと。特殊から普遍を導き出すこと。導かれた結論は必然的ではなく、蓋然的(ある程度確からしい)にとどまる。
例)
事柄① 今日はりんごが5個売れた。
事柄② 昨日はりんごが5個売れた。
事柄③ 一昨日はりんごが5個売れた。
仮説 明日はりんごが5個売れるだろう。
具体例を集めてルールを導き出す。